株式会社・合同会社の設立方法を図解で解説|費用・流れ・定款・登記申請書と添付書類の書式

独立・起業を考えたとき、最初に迷うのが「株式会社と合同会社、どちらで設立するか」ではないでしょうか。どちらも個人で設立でき、手続きの大まかな流れも似ていますが、費用や運営のルールには大きな違いがあります。

この記事では、株式会社と合同会社の違い・設立費用・手続きの流れ・定款の文例を、図解を交えてやさしく解説します。会社設立後に必要になる名刺の作り方もあわせてご紹介します。

この記事のポイント
・株式会社は「出資者(株主)」と「経営者(取締役)」が分かれる仕組み
・合同会社は「出資者=経営者」で、設立費用が安く運営ルールも柔軟
・設立の流れは「基本事項の決定 → 定款作成 → 出資金の払込み → 登記申請」
・名刺は登記内容(会社名・住所・肩書き)と一致させて作る

※2026年10月時点の情報です。手数料や制度は改正されることがあります。実際の手続きは法務局・公証役場の案内をご確認いただき、不安な場合は司法書士などの専門家にご相談ください。

株式会社と合同会社の違いを図解

いちばん大きな違いは、お金を出す人(出資者)と会社を経営する人の関係です。

株式会社
株主(出資者)
▼ 株主総会で選任
取締役・代表取締役(経営者)
▼ 経営
会社の事業
出資と経営が分かれる(同一人物も可)
議決権は出資比率で決まる
合同会社
社員(出資者=経営者)
▼ 代表社員が会社を代表
業務執行社員・代表社員
▼ 経営
会社の事業
出資者自身が経営する
利益配分や議決権は定款で自由に決められる
項目株式会社合同会社
出資者の呼び方株主社員(従業員とは別の意味)
代表者の肩書き代表取締役代表社員
出資者の責任有限責任(出資額まで)有限責任(出資額まで)
定款の認証必要(公証役場)不要
登録免許税資本金の0.7%(最低15万円)資本金の0.7%(最低6万円)
役員の任期原則2年(株式の譲渡制限がある会社は最長10年まで延長可)任期なし
決算公告毎年必要不要
利益の配分出資比率に応じる定款で自由に決められる
知名度・信用高い近年は大手企業の採用も増え、認知が広がっている

設立費用の比較

会社設立には、法律で決められた「法定費用」がかかります。電子定款を使うと、紙の定款に必要な収入印紙4万円が不要になります。

株式会社(電子定款)
約17万円〜
登録免許税15万円〜+定款認証1.5万〜5万円+謄本代
株式会社(紙の定款)
約21万円〜
上記+収入印紙4万円
合同会社(電子定款)
約6万円〜
登録免許税6万円〜(定款認証は不要)
合同会社(紙の定款)
約10万円〜
上記+収入印紙4万円
※法定費用の目安。印鑑作成費や専門家への報酬は含みません。

電子定款の作り方は電子定款の作り方を図解で解説をご覧ください。

株式会社の定款認証手数料(2024年12月改定後)

定款に記載する資本金等の額認証手数料
100万円未満3万円(一定の要件を満たすと1万5千円)
100万円以上300万円未満4万円
300万円以上5万円

1万5千円になる要件は、①発起人全員が個人で3人以下、②発起人が設立時の株式をすべて引き受ける、③取締役会を置かない、のすべてを満たす場合です。このほか定款の謄本代がかかります。

株式会社の設立の流れ

1基本事項を決める
商号(会社名)・事業目的・本店所在地・資本金・役員・事業年度など
▼
2会社の印鑑を作る
代表者印(実印)・銀行印・角印。商号が決まったら早めに準備(下記「会社の印鑑を作る」参照)
▼
3定款を作成する
会社の基本ルールを文書にまとめる(電子定款なら印紙代不要。作り方は別記事で解説)
▼
4公証役場で定款の認証を受ける
株式会社のみ必要な手続き
▼
5資本金を払い込む
発起人の個人口座に出資金を振り込み、通帳のコピーを用意
▼
6法務局に設立登記を申請
申請した日が会社の設立日になる
▼
7登記完了・各種届出
登記事項証明書を取得し、税務署・自治体・年金事務所などへ届出

準備がそろっていれば、2〜4週間程度で設立できるのが一般的です。なお、2024年10月からは、株式会社の代表取締役の住所の一部を登記事項証明書に表示しないよう申し出る制度も始まっています。

合同会社の設立の流れ

1基本事項を決める
商号・事業目的・本店所在地・資本金・社員(出資者)・代表社員など
▼
2会社の印鑑を作る
代表者印・銀行印・角印
▼
3定款を作成する
公証役場での認証は不要
▼
4資本金を払い込む
代表社員の個人口座などに振り込み
▼
5法務局に設立登記を申請
申請した日が設立日
▼
6登記完了・各種届出
株式会社と同様に税務署などへ届出

定款認証が不要な分、1〜2週間程度で設立できることもあります。

会社の印鑑を作る

会社の商号が決まったら、早めに会社の印鑑を用意しましょう。設立登記を書面で申請する場合は、法務局に会社の実印(代表者印)を届け出る必要があります。オンライン申請なら印鑑の届出は任意ですが、銀行口座の開設や契約書への押印で必要になる場面が多いため、作っておくのが一般的です。

印鑑の種類主な用途サイズの目安
代表者印(会社実印)法務局への届出、重要な契約書直径18mm前後(二重枠のデザインが一般的)
銀行印法人口座の開設、手形・小切手直径16.5〜18mm前後
角印(社印)請求書・見積書・領収書一辺21〜24mm前後の四角形
認印日常的な書類の確認直径12〜13.5mm前後
法務局に届け出る印鑑のサイズ
登記所に届け出る会社の印鑑は、一辺が1cmを超え3cm以内の正方形に収まる大きさである必要があります。

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  • 黒水牛・オランダ水牛・木材系・象牙など、印材を選べる
  • 大阪の吹田本店・船場本町店・梅田店では即日の店頭受け取りも可能

※納期は商品や印材によって異なります(象牙は在庫状況によりお時間がかかる場合があります)。詳しくは各商品ページでご確認ください。

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定款の文例

定款は会社の憲法ともいえる大切な書類です。ここでは小規模な会社でよく見られる記載例をご紹介します(一部抜粋)。

電子定款なら印紙代4万円が不要
定款はPDFで作成して電子署名をする「電子定款」にすると、収入印紙4万円がかかりません。作り方は電子定款の作り方を図解で解説で詳しく紹介しています。

株式会社の定款(記載例)

取締役2名・取締役会なし・監査役なし・株式譲渡制限会社の例です(一部抜粋)。附則で設立時取締役や発起人の割当株式を定めておくと、別途の同意書が不要になります。

               令和〇年〇月〇日 作成
               令和〇年〇月〇日 公証人認証
               令和〇年〇月〇日 会社成立

株式会社〇〇 定款

第1章 総則

(商号)
第1条 当会社は、株式会社〇〇と称する。

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
 1.〇〇の企画、制作及び販売
 2.〇〇に関するコンサルティング業務
 3.前各号に附帯関連する一切の事業

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を大阪府〇〇市に置く。

(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

第2章 株式

(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は、1,000株とする。

(株券の不発行)
第6条 当会社の株式については、株券を発行しない。

(株式の譲渡制限)
第7条 当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。

第3章 株主総会

(招集)
第8条 当会社の定時株主総会は、毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し、臨時株主総会は、必要に応じて招集する。

第4章 取締役及び代表取締役

(取締役の員数)
第9条 当会社の取締役は、1名以上とする。

(取締役の任期)
第10条 取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

(代表取締役)
第11条 取締役が2名以上いるときは、取締役の互選により代表取締役1名を定める。

第5章 計算

(事業年度)
第12条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。

第6章 附則

(設立に際して出資される財産の価額及び成立後の資本金の額)
第13条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は金100万円とし、その全額を資本金とする。

(最初の事業年度)
第14条 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から令和〇年3月31日までとする。

(設立時取締役)
第15条 当会社の設立時取締役は、次のとおりとする。
 設立時取締役 山田太郎
 設立時取締役 山田花子

(発起人の氏名、住所及び割当てを受ける設立時発行株式の数並びに払込金額)
第16条 発起人の氏名、住所及び発起人が設立に際して割当てを受ける株式の数並びに株式と引換えに払い込む金銭の額は、次のとおりである。
 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
  発起人 山田太郎 普通株式60株 金60万円
 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
  発起人 山田花子 普通株式40株 金40万円

以上、株式会社〇〇を設立するため、この定款を作成し、発起人が次に記名押印する。

令和〇年〇月〇日

 発起人 山田太郎 ㊞
 発起人 山田花子 ㊞

合同会社の定款(記載例)

第1章 総則

(商号)
第1条 当会社は、合同会社〇〇と称する。

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
 1.〇〇の企画、制作及び販売
 2.前号に附帯関連する一切の事業

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都〇〇区に置く。

(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

第2章 社員及び出資

(社員の氏名、住所、出資及び責任)
第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任は次のとおりである。
 1.金50万円 東京都〇〇区〇〇 有限責任社員 山田太郎
 2.金50万円 東京都〇〇区〇〇 有限責任社員 佐藤花子

第3章 業務執行及び代表

(業務執行社員)
第〇条 当会社の業務は、業務執行社員がこれを執行する。

(代表社員)
第〇条 当会社を代表する社員は、業務執行社員の互選により定める。

第4章 計算

(事業年度)
第〇条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。
事業目的は少し広めに
登記後に事業目的を追加するには変更登記(登録免許税3万円)が必要です。数年以内に始める可能性がある事業は、設立時に入れておくと安心です。ただし、関係のない事業を並べすぎると、銀行口座の開設審査で説明を求められることもあります。

株式会社の設立書類一式(書式・記入例)

ここからは、株式会社の設立で作成する書類を、手続きの順番に沿ってご紹介します。例として、発起人2名・取締役2名・取締役会なし・監査役なし・資本金100万円の会社を想定しています。取締役会や監査役を置く場合の違いもあわせて記載しています。

順番書類主な内容
1発起人会議事録(発起人決定書)本店の所在場所などを決める
2定款会社の基本ルール(公証人の認証が必要)
3定款認証用の委任状発起人全員が公証役場に行かない場合
4就任承諾書設立時取締役(監査役)が就任を承諾
5取締役決議書/取締役会議事録代表取締役を選ぶ
6発起人同意書株式の割当て・資本金の額を決める(定款で定めた場合は不要)
7払込証明書資本金の払込みを証明(通帳コピーを添付)
8資本金の額の計上に関する証明書現物出資がある場合
9調査報告書設立時取締役が出資の履行などを調査
10登記用の委任状代理人が登記を申請する場合
11株式会社設立登記申請書法務局に提出する申請書
12登記すべき事項(別紙・CD-R)登記する内容を記載
13印鑑届書会社の実印を法務局に届け出る

1.発起人会議事録

発起人が集まり、本店の所在場所などを決めます。定款で本店を「大阪市」のように最小行政区画までしか定めていない場合は、番地まで決めた書面が必要です。発起人が1名なら「発起人決定書」として作成します。

発起人会議事録

令和〇年〇月〇日午前10時00分、大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号の当会社設立事務所において発起人会を開催した。

 発起人総数   2名
 出席発起人数  2名

以上のとおり出席があり、本会は適法に成立したので、発起人山田太郎は選ばれて議長となり、開会を宣し、直ちに議案の審議に入った。

第1号議案 本店所在場所決定の件
議長は、当会社の本店の所在場所を次のとおりとしたい旨を述べ、その賛否を議場に諮ったところ、全員異議なくこれを承認可決した。

 本店 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号

以上をもって議案の全部を終了したので、議長は午前10時30分閉会を宣した。
上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、出席発起人全員がこれに記名押印する。

令和〇年〇月〇日

株式会社〇〇 発起人会
 議長 発起人 山田太郎 ㊞
    発起人 山田花子 ㊞

2.定款

定款の書き方は、前の章の定款の文例を参考にしてください。取締役会や監査役を置くかどうかで記載内容が変わります。

項目取締役会・監査役なし取締役会・監査役あり
取締役の人数1名以上3名以上(監査役も1名以上)
株式の譲渡承認株主総会取締役会(定款で株主総会とすることも可)
代表取締役の選び方定款・取締役の互選・株主総会など取締役会で選定
登記すべき事項取締役会・監査役の設置規定は不要「取締役会設置会社に関する事項」「監査役設置会社に関する事項」を記載

3.委任状(定款認証用)

発起人全員が公証役場に行けない場合は、代理人に委任します。電子定款を代理人が作成・申請する場合も、委任の内容に合わせて作成します。

委任状

 住所 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
 氏名 山田太郎

私たちは、上記の者を代理人と定め、株式会社〇〇の定款につき、発起人の記名押印を自認し、公証人の認証を受ける嘱託手続に関する一切の権限を委任します。

令和〇年〇月〇日

(商号)株式会社〇〇

 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
 発起人 山田太郎 ㊞(個人の実印)

 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
 発起人 山田花子 ㊞(個人の実印)

4.就任承諾書

定款で設立時取締役を定めた場合の例です。取締役会を置かない会社では、ここに押した印鑑の印鑑証明書(取締役全員分)を登記申請に添付します。

就任承諾書

私は、令和〇年〇月〇日、株式会社〇〇の定款において設立時取締役に選任されたので、その就任を承諾します。

令和〇年〇月〇日

(住所)大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
(氏名)設立時取締役 山田太郎 ㊞(個人の実印)

株式会社〇〇 御中

取締役が複数いる場合は、1人ずつ作成するのが一般的です(連名で作成する場合も、各自が住所・氏名を記載して押印します)。監査役を置く場合は、監査役の就任承諾書も作成し、本人確認証明書(住民票の写しなど)を添付します。

5.取締役決議書(取締役会なしの場合)

取締役が2名以上いて、取締役の互選で代表取締役を選ぶ場合に作成します。

設立時取締役決議書

令和〇年〇月〇日午前11時00分、大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号の当会社設立事務所において、設立時取締役全員が出席し、下記議案について全員一致をもって決議した。

 設立時取締役総数  2名
 出席設立時取締役  2名

議案 設立時代表取締役選定の件
設立時取締役の互選により、次の者を設立時代表取締役に選定した。なお、被選定者は即時その就任を承諾した。

 設立時代表取締役 山田太郎(住所 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号)

上記の決議を明確にするため、この決議書を作成し、出席設立時取締役全員がこれに記名押印する。

令和〇年〇月〇日

株式会社〇〇
 設立時取締役 山田太郎 ㊞
 設立時取締役 山田花子 ㊞

取締役会を置く場合は、「設立時取締役会議事録」として、設立時取締役の過半数で代表取締役を選定します(本店の所在場所を議事録で決めることもできます)。取締役会設置会社では、印鑑証明書が必要なのは代表取締役のみで、他の取締役・監査役は本人確認証明書を添付します。

6.発起人同意書

発起人ごとの割当株式数や払込金額、資本金の額を定款で定めていない場合に、発起人全員の同意で決めます。

同意書

本日、発起人全員の同意をもって、当会社が設立の際に発行する株式に関する事項及び資本金の額を次のとおり定める。

1.発起人山田太郎が割当てを受ける設立時発行株式の数及び払い込む金額
  普通株式 60株  金60万円

1.発起人山田花子が割当てを受ける設立時発行株式の数及び払い込む金額
  普通株式 40株  金40万円

1.資本金の額    金100万円
1.資本準備金の額  金0円

上記事項を証するため、発起人全員が記名押印する。

令和〇年〇月〇日

株式会社〇〇
 発起人 山田太郎 ㊞
 発起人 山田花子 ㊞

7.払込証明書

発起人が、発起人代表(通常は代表取締役になる人)の個人口座に出資金を振り込み、代表取締役が証明書を作成します。会社の実印を押し、通帳のコピーをとじて契印します。

払込みがあったことを証する書面

当会社の設立により発行する株式につき、次のとおり払込金額全額の払込みがあったことを証明します。

払込みを受けた金額   金100万円
設立時発行株式の数   100株
1株の払込金額     金1万円

令和〇年〇月〇日

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
株式会社〇〇
設立時代表取締役 山田太郎 ㊞(会社の実印)

(以下、通帳の表紙・表紙の裏・入金が記帳されたページのコピーをとじる)
払込保管証明書は不要に
以前は銀行が発行する「払込金保管証明書」が必要でしたが、現在の会社法では、発起設立の場合は代表取締役が作成する払込証明書と通帳のコピーで足ります。

8.資本金の額の計上に関する証明書

出資が金銭のみの場合は不要です。現物出資(車やパソコンなどを出資)をする場合に作成します。

資本金の額の計上に関する証明書

1.払込みを受けた金銭の額(会社計算規則第43条第1項第1号)   金〇〇円
2.給付を受けた金銭以外の財産の給付があった日における価額
 (会社計算規則第43条第1項第2号)              金〇〇円
3.資本金等限度額(1+2)                   金〇〇円

資本金〇〇円は、会社法第445条及び会社計算規則第43条の規定に従って計上されたことに相違ありません。

令和〇年〇月〇日

株式会社〇〇
設立時代表取締役 山田太郎 ㊞(会社の実印)

9.調査報告書

設立時取締役は、出資の履行が完了していることなどを調査します(会社法第46条)。登記申請への添付が必要なのは、定款に現物出資などの「変態設立事項」を定めた場合です。

調査報告書

令和〇年〇月〇日、株式会社〇〇の設立時取締役に選任されたので、会社法第46条の規定に基づいて調査をした。その結果は次のとおりである。

調査事項
1.発起人が割当てを受けた設立時発行株式の総数は100株であり、その全部について発起人による出資の履行が完了していることを認める。
2.以上のほか、設立の手続が法令又は定款に違反していないことを認める。

なお、定款には現物出資、財産引受け、発起人の報酬その他の特別の利益及び設立費用に関する定めはない。

上記のとおり報告する。

令和〇年〇月〇日

株式会社〇〇
 設立時取締役 山田太郎 ㊞
 設立時取締役 山田花子 ㊞

10.委任状(登記用)

代表取締役以外の人が法務局に登記を申請する場合に作成します。代表取締役本人が申請する場合は不要です。

委任状

 住所 大阪府〇〇市〇〇町四丁目5番6号
 氏名 佐藤一郎

私は、上記の者を代理人と定め、次の権限を委任する。

1.当会社の設立登記を申請する一切の件
1.原本還付の請求及び受領の件

令和〇年〇月〇日

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
株式会社〇〇
代表取締役 山田太郎 ㊞(会社の実印)

11.株式会社設立登記申請書

法務局に提出する申請書です。

株式会社設立登記申請書

1.フリガナ     〇〇
1.商号       株式会社〇〇
1.本店       大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
1.登記の事由    令和〇年〇月〇日発起設立の手続終了
1.登記すべき事項  別添CD-Rのとおり
1.課税標準金額   金100万円
1.登録免許税    金15万円
1.添付書類
  定款                  1通
  発起人会議事録             1通
  発起人同意書              1通
  設立時取締役決議書           1通
  設立時取締役の就任承諾書        2通
  設立時代表取締役の就任承諾書      設立時取締役決議書の記載を援用する
  印鑑証明書               2通
  払込みがあったことを証する書面     1通
  委任状                 1通

上記のとおり登記の申請をします。

令和〇年〇月〇日

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
申請人 株式会社〇〇

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
代表取締役 山田太郎

大阪府〇〇市〇〇町四丁目5番6号
上記代理人 佐藤一郎 ㊞

連絡先の電話番号 000-0000-0000

大阪法務局〇〇出張所 御中
  • フリガナ…「株式会社」を除いた商号の読みをカタカナで記載
  • 登記の事由…設立の手続が終わった日(調査が終わった日など)を記載。会社の設立日は「登記を申請した日」になります
  • 登録免許税…資本金の0.7%(100円未満切り捨て)。15万円に満たない場合は15万円。収入印紙を台紙に貼って申請書とともにとじます
  • 押印…代表取締役本人が申請する場合は会社の実印、代理人が申請する場合は代理人の印鑑を押します。複数ページの場合はつなぎ目に契印をします
  • 定款が電子定款の場合…電子データ(CD-Rなど)を提出します

12.登記すべき事項(別添CD-R・別紙)

登記すべき事項は、テキストファイルにしてCD-Rなどに保存して提出するか、別紙に記載します。オンラインで事前に提出することもできます。

「商号」株式会社〇〇
「本店」大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
「公告をする方法」官報に掲載してする。
「目的」
1 広告代理業
2 印刷業
3 デザイン業
4 前各号に附帯関連する一切の事業
「発行可能株式総数」1000株
「発行済株式の総数」100株
「資本金の額」金100万円
「株式の譲渡制限に関する規定」
当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」山田太郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」山田花子
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「住所」大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
「氏名」山田太郎
「登記記録に関する事項」設立

取締役会・監査役を置く会社では、上記に加えて次の項目と、監査役の「役員に関する事項」を記載します。

「取締役会設置会社に関する事項」
取締役会設置会社
「監査役設置会社に関する事項」
監査役設置会社
「役員に関する事項」
「資格」監査役
「氏名」〇〇〇〇

13.印鑑届書

書面で登記を申請する場合は、会社の実印を法務局に届け出ます。法務局の窓口やWebサイトで入手できる「印鑑(改印)届書」に、会社の実印と代表取締役個人の実印を押し、発行後3か月以内の個人の印鑑証明書を添付します(登記申請書に添付した印鑑証明書を援用することもできます)。オンライン申請の場合、届出は任意です。

印鑑(改印)届書の主な記入項目

・届け出る会社の印鑑(印鑑の押印欄)
・商号・本店
・資格(代表取締役)・氏名・生年月日
・届出人(本人または代理人)の住所・氏名、個人の実印
・印鑑カードの引継ぎの有無(新規設立の場合は該当なし)
・提出先の法務局名

会社の印鑑がまだない場合は、上の「会社の印鑑を作る」をご覧ください。

合同会社の設立登記書類(書式・記入例)

合同会社は、株式会社に比べて書類が少なくて済みます。社員1名(代表社員)、資本金100万円の例です。

書類必要なケース
定款必ず必要(公証人の認証は不要)
代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面代表社員・本店の所在場所・資本金の額を定款で定めていない場合
代表社員の就任承諾書定款の定めに基づいて社員の互選で代表社員を選んだ場合
払込みがあったことを証する書面必ず必要(通帳のコピーを添付)
資本金の額の計上に関する証明書金銭以外の出資がある場合
法人が社員になる場合の書類法人が代表社員などになる場合
委任状代理人が申請する場合
印鑑届書書面で申請する場合

合同会社設立登記申請書

合同会社設立登記申請書

1.フリガナ     〇〇
1.商号       合同会社〇〇
1.本店       大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
1.登記の事由    設立の手続終了
1.登記すべき事項  別添CD-Rのとおり
1.課税標準金額   金100万円
1.登録免許税    金6万円
1.添付書類
  定款                     1通
  代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを
  証する書面                  1通
  代表社員の就任承諾書             1通
  払込みがあったことを証する書面        1通

上記のとおり登記の申請をします。

令和〇年〇月〇日

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
申請人 合同会社〇〇

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
代表社員 山田太郎 ㊞(会社の実印)

連絡先の電話番号 000-0000-0000

大阪法務局〇〇出張所 御中

合同会社の登録免許税は資本金の0.7%で、6万円に満たない場合は6万円です。

登記すべき事項(合同会社)

「商号」合同会社〇〇
「本店」大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
「公告をする方法」官報に掲載してする。
「目的」
1 〇〇の企画、制作及び販売
2 前号に附帯関連する一切の事業
「資本金の額」金100万円
「社員に関する事項」
「資格」業務執行社員
「氏名」山田太郎
「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
「氏名」山田太郎
「登記記録に関する事項」設立

代表社員、本店所在地及び資本金決定書

決定書

1.本店 大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
1.代表社員 山田太郎
1.資本金の額 金100万円

上記事項を、総社員の一致により決定する。

令和〇年〇月〇日

合同会社〇〇
 社員 山田太郎 ㊞

代表社員の就任承諾書

就任承諾書

私は、令和〇年〇月〇日、貴社の代表社員に定められたので、その就任を承諾します。

令和〇年〇月〇日

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
山田太郎 ㊞

合同会社〇〇 御中

払込みがあったことを証する書面(合同会社)

証明書

当会社の資本金については以下のとおり、全額の払込みがあったことを証明します。

払込みを受けた金額 金100万円

令和〇年〇月〇日

大阪府〇〇市〇〇町一丁目2番3号
合同会社〇〇
代表社員 山田太郎 ㊞(会社の実印)

(以下、通帳のコピーをとじる)

書類のとじ方と提出方法

① 登記申請書
② 収入印紙を貼った台紙(①②を契印でとじる)
③ 添付書類(定款→議事録・決定書→同意書→就任承諾書→印鑑証明書→払込証明書→委任状の順にクリップ留め)
④ 登記すべき事項のCD-R(または別紙)
別に提出:印鑑届書
  • 提出先…本店所在地を管轄する法務局(登記所)
  • 提出方法…窓口に持参/郵送(書留)/オンライン(申請用総合ソフト)
  • 原本を返してほしい書類…コピーに「原本と相違ない」旨を記載して記名押印し、原本還付を請求できます
  • 登記完了まで…法務局が公表している「登記完了予定日」が目安です。不備があると法務局から補正の連絡があります
書式はあくまで一例です
役員の人数、取締役会・監査役の有無、定款の内容などで必要な書類や書き方は変わります。法務局が公開している申請書の様式・記載例とあわせて確認し、不明な点は法務局の登記手続案内(予約制)や司法書士に相談しましょう。

設立登記が終わったら:各種届出

届出先主な届出期限の目安
税務署法人設立届出書設立から2か月以内
税務署青色申告の承認申請書設立から3か月以内(または最初の事業年度終了日のいずれか早い日の前日まで)
税務署給与支払事務所等の開設届出書開設から1か月以内
都道府県税事務所・市区町村法人設立届出書自治体ごとに定める期限まで
年金事務所健康保険・厚生年金保険 新規適用届事実発生から5日以内
労働基準監督署・ハローワーク労働保険・雇用保険の手続き従業員を雇用した場合

あわせて、法人口座の開設や名刺・封筒などの準備も進めましょう。

株式会社と合同会社、どちらを選ぶ?

こんな方にはおすすめ
将来、出資を募ったり上場を目指したりしたい株式会社
取引先に大手企業が多く、対外的な信用を重視したい株式会社
一人または少人数で、費用を抑えてスタートしたい合同会社
個人事業からの法人化(法人成り)で、手続きを簡単にしたい合同会社
出資比率に関係なく利益配分を決めたい合同会社

会社を設立したら名刺を作ろう

会社を設立すると、取引先へのあいさつや営業で名刺がすぐに必要になります。名刺を作るときは、次の点に気をつけましょう。

  • 会社名は登記どおりに…「株式会社」が前か後ろか、英字表記なども登記内容と一致させる
  • 肩書きの書き方…株式会社は「代表取締役」、合同会社は「代表社員」が正式。名刺では「代表」「CEO」を使う方もいます(名刺の肩書きの書き方)
  • 住所・電話番号を確定させてから…本店所在地や固定電話が変わると作り直しが必要に
  • Webサイト・SNSも載せる…QRコードを入れると会社案内代わりにもなります

名刺に載せる項目は名刺の書き方、作り方は名刺の作り方3通りで詳しく紹介しています。

プリスタ®なら、デザインデータをお持ちの方は100枚190円(税別)〜、デザインがない方もテンプレート名刺なら100枚500円(税別)から作れます。開業日に間に合うよう、納期を確認して早めにご注文ください。

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よくある質問

Q. 株式会社と合同会社、どちらが設立費用は安いですか?

法定費用は合同会社のほうが安く、電子定款なら約6万円から設立できます。株式会社は登録免許税(最低15万円)と定款認証手数料がかかるため、約17万円からが目安です。

Q. 設立登記申請書はどこで入手できますか?

法務局の窓口や法務局のWebサイトで、申請書の様式と記載例を入手できます。この記事の書式例も参考にしてください。

Q. 設立登記に必要な添付書類は何ですか?

株式会社では定款、発起人の決定書(議事録)、就任承諾書、印鑑証明書、払込証明書などが必要です。合同会社では定款、代表社員・本店所在地及び資本金の決定書、就任承諾書、払込証明書などが必要です。会社の機関設計や定款の内容によって変わります。

Q. 会社の印鑑はいつ作ればいいですか?

商号(会社名)が決まったらすぐに作るのがおすすめです。書面で登記申請する場合は印鑑届書の提出が必要です。急ぎの場合は、法人印鑑を最短60分で仕上げるハンコエキスプレスのような特急対応の専門店が便利です。

Q. 資本金は1円でも会社を作れますか?

株式会社・合同会社ともに資本金1円から設立できます。ただし、当面の運転資金や取引先・金融機関からの信用を考えると、数十万〜数百万円程度に設定するケースが一般的です。

Q. 会社の設立日はいつになりますか?

法務局に設立登記を申請した日が会社の設立日になります。土日祝は窓口での申請ができないため、設立日にこだわる場合は申請日を調整しましょう。

Q. 名刺はいつ作ればいいですか?

会社名・本店所在地・肩書きは登記内容と一致させる必要があるため、登記申請後(できれば登記完了後)に作るのが安心です。開業日に間に合うよう、納期から逆算して準備しましょう。

まとめ

株式会社は信用力や将来の資金調達に強く、合同会社は費用の安さと運営の自由度が魅力です。設立では「印鑑の準備 → 定款の作成(電子定款なら印紙代不要) → 資本金の払込み → 登記申請書と添付書類の作成 → 法務局へ申請」の順に進めます。書式例を参考に、抜け漏れのないよう準備しましょう。会社を設立したら、登記内容に合わせた名刺を用意して、新しいスタートを切ってください。